「淋病は怖いけど、口なら大丈夫だよね。」そんな風に考えている人もいるかもしれません。でも、それは大きな誤解です。
淋病は喉にもうつります。そして、喉から性器へと淋病をうつすことになります。
ここでは、喉に感染する淋病について解説します。
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感染経路
口を使った行為で喉にうつるよ
淋病(のど)は口を使った性行為でうつります。
このような行為で淋病(のど)に感染します。
オーラルセックスでは尿道、膣に潜んでいる淋菌が喉に感染します。特に、性風俗店でのフェラチオで、男性客から女性従業員の喉に感染すること多いです。
ディープキスでは喉に潜んでいる淋菌が喉から喉へ感染します。しかし、ディープキスでの感染はそれほど多くは無いでしょう淋病淋病症状。
男性の同性愛者などではリミング(肛門を舐める行為)を行う人もおおいですが、この場合は直腸に潜んでいる淋菌が喉に感染することも考えられます。
軽いキスではうつらない
普通のキス、舌をからめないような軽いキスでは、淋菌はうつりません。
淋菌がのどに感染するには、舌と舌との濃厚な接触が必要です。
舌がちょっと触れたくらいなら感染することはほとんどないでしょう。
性器から喉へは移動しない
淋菌は性器から喉、喉から性器へと直接移動することはありません淋病淋病症状。
感染には粘膜と粘膜の接触が必要です。オーラルセックス、ディープキスなどがなければ感染することはありません。
まわし飲み
まわし飲みでは微量の唾液が付着します。
しかし、まわし飲み程度の量では淋菌に感染することはありません。感染するためにはもっと濃厚な接触が必要です。
淋病(のど)の症状
症状がでないよ
淋病(のど)は普通は無症状です。生活する上での支障も特にないため、感染に気付くことはないでしょう。
喉に炎症などをおこすこともほとんどないので、見ただけでは異常はみつかりません。
喉には淋菌と同じタイプの菌がもともと住んでいて、淋菌も住みやすい環境になっています。
このため、淋菌は喉では特に悪さをすることなく滞在・定着していると思われます。
風邪とは見分けのつかない症状
それでも、淋病(のど)はたまに風邪のような症状をおこすこともあります。
淋病(のど)の主な症状です。このような症状がでるのは、体が弱っているときや入ってきた菌の量が多いときなどで、よほど重症のときだけでしょう。
風邪との違いは特になく、多くの人は単なる風邪と考えてしまうはずです。
風邪の症状とは咽頭炎や扁桃炎の症状のことです。そして、それを引き起こす原因が風邪のウイルスか淋菌かという違いだけです。
お医者さんでも淋病(のど)を疑って特別な検査をしない限り、淋病(のど)に気付くことはなく、風邪ということで片付けてしまう可能性があります。
しかし、さきほども述べたように、この風邪に似た症状がでるのは極めてまれです。喉の淋菌がなにかの症状を引き起こすことは滅多になく、普通は無症状のまま過ごします。
淋病(のど)の検査
耳鼻咽喉科での検査
淋病(のど)の検査は、耳鼻咽喉科で行います。
ただ、淋病(のど)の検査は耳鼻咽喉科での一般的な検査ではないので、やっていない病院もあります。
耳鼻咽喉科以外では、泌尿器科、婦人科へいった際に喉も一緒に検査してもらうことも可能でしょう。
一番いいのは、診療科に関わらず性病を多く扱っている病院や、性病科と書いてある病院です。そちらのほうが、喉の淋病の検査や治療については詳しいかもしれません。
うがい液検査というのがあるよ
喉の検査では、細い綿棒で喉の粘膜をぬぐったものを検査します。
しかし、最近はうがいをした液体を検査する方法もあります。のどでガラガラとうがいをして吐いた液体を検査するというものです。
うがい液検査は、綿棒でぬぐう方法と比べると少しですが精度がいいです。
また、うがい液検査はやり方が簡単なため、失敗しにくいという利点もあります。
SDA法
淋病(性器)の検査は、主に遺伝子検査で行われます。これは淋病(のど)も同じです。
しかし、通常の淋病(性器)で行われているPCR法は、喉の検査には使えません。喉にもともと住んでいる淋菌に近い菌に反応してしまうからです。
このため、喉の検査にはSDA法という方法が主に使われます。こちらもPCR法と同様に遺伝子検査です。
淋病(のど)の治療
喉と性器は同時に治療
淋病(のど)と淋病(性器)は同時に治療が可能です。抗生物質を用いての治療となります。
抗生物質は血液を通って全身に流れるため、全身の淋菌に効果があります。
薬は注射や点滴で投与します。
ただ、淋病(性器)に有効な薬でも、淋病(のど)では効きにくい薬もあります。
このため、淋病(のど)が見つかった場合には、セフトリアキソンという薬が主につかわれます。セフトリアキソンは淋病(性器)にも有効です。
淋病(のど)は薬が効きにくい
また、喉の淋菌には抗生物質が効きにくく、性器の淋菌のほうが薬は効きやすいという特徴があります。
このため、治療しても喉のほうが治療期間が長くなります。
この場合、淋菌がいなくなったかを調べる確認検査が、喉と性器の両方で必要です。
もし、淋菌が喉に残ってしまえば、オーラルセックスで淋病が再発します。
耐性を持ちやすい
淋菌は薬に対する耐性を非常に持ちやすいです。
中途半端に薬を使っていると、耐性をもった薬が効かない淋菌が簡単に生まれます。
淋病の飲み薬もいくつか開発されましたが、どれも耐性ができたためにほとんど使われなくなりました。
このため、現在では注射や点滴を使って淋病の治療が行われています。
検査・治療が必要な人
検査を受けたほうがいい人
淋病(のど)は症状がでないため、普通は感染に気づきません。
このような人では、淋病(のど)の検査を検討してみるといいでしょう。
普通、淋病の感染に気づくのは、男性で排尿時の痛みがでたときです。この場合はパートナーの女性も淋病(性器)の検査・治療が必要です。
そして、オーラルセックスを行う人の場合は、淋病(のど)の検査も必要となります。
淋病(性器)となった人の30%には、淋病(のど)も同時にみつかるからです。
放置されても特に悪さをすることのない喉の淋菌ですが、オーラルセックスでパートナーへの感染源となることが問題です。喉にいる淋菌は何度でも相手に感染します。
また、不特定多数の人と性行為を行っている人も、検査は受けたほうがいいでしょう。他の人への感染源となることも問題ですが、性行為を通して自分の喉から自分の性器に感染する可能性があるからです。
クラミジア(のど)との違い
淋菌のほうが喉に感染しやすいよ
淋菌と同様にクラミジアも喉に感染します。
症状としては、淋病(のど)とクラミジア(のど)に特に違いはありません。どちらも無症状のことがほとんどです。
ただ、淋病はフェラチオが原因の場合が多いのに対して、クラミジアはコンドームを使わないセックスが原因であることが多いです。
このため、淋菌は女性の喉と男性の尿道から見つかることが多く、クラミジアは男性の尿道と女性の膣から見つかることが多いです。
喉のクラミジアに関しては、喉に感染する咽頭クラミジアのページをご覧ください。
>> 喉に感染する咽頭クラミジア
性病検査キット
自分で検査できるよ
性病検査キットを使うと、自宅で性病検査をすることもできます。
ただ、検査キットは誰にでもオススメできるわけではありません。そのまま病院へいったほうがいい場合もあります。
そして、検査キットにはメリットやデメリットもあります。
性病検査キットの良い点・悪い点のページでは、これらの点について解説していますので、そちらを参考にしてください。
>> 性病検査キットの良い点・悪い点
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