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淋病とは
細菌の一種である「淋菌」に感染することで起こる性感染症。男女ともに感染しますが、圧倒的に男性の患者が多いのが特長です。
主な症状は尿道の痛みや膿の分泌などですが、そのまま放置していると症状が進行。激しい痛みや炎症が全身に広がります。世界的に感染者が急増しており、日本においても身近な性感染症の一つとされています。
どんな症状が出るのか
尿道に炎症が起こり、排尿時に強い痛みが起こります。また、尿道からドロっとした膿が出るのも特長。
ただし、目立った自覚症状が現れない場合もあります。
また、咽頭や直腸にも淋菌が感染することがあります。
咽頭の場合は「咽頭淋病」と呼ばれ、ムズムズとしたかゆみや不快感、痛みがあります。
直腸の場合は痛みや違和感に加えて、下痢や血便などがある場合があります。
淋病の感染ルートと潜伏期間
淋病は、性行為(男性同士を含む)やオーラルセックスなど、感染者の粘膜や分泌物との接触により感染します。感染力が高く、直接的な性行為をしていなくても、手指やタオルを介しての感染が疑われる事例もあります。
潜伏期日は2~9日。感染後2~9日は特に痛みや症状は現れず、その後、尿道の痛みや発熱などの症状が現れます。
近年では潜伏期間が2週間以上もある事例や、発症後も目立った症状が現れないケースも報告されているため、心当たりがある方は念のために検査することをおすすめします。
どんな人が感染しやすい
淋病は性行為や性的接触により誰しもが感染する可能性がありますが、特に不特定多数と性行為をする(した)方、コンドームなしで性行為をする(した)方は危険です。
淋病には予防接種がなく、また、免疫もできないので、治療で治っても再度感染します。
放置するとどうなるのか
痛みが強いので放置する人はいないと思いますが、仮に治療をせずに放っておくと、前立腺炎や精巣上体炎を発症。治療後に無精子症を生じる場合もあります。
さらに、淋菌が血液にのって全身へと進行し、関節や皮膚に炎症が起こる場合や、稀に心膜炎や髄膜炎、肝周囲炎を発症することもあります。また、エイズに感染しやすくなるという報告もされています。
なお、淋病が自然治癒することはありません。
検査と治療について
いつから検査できる?感染した可能性が考えられる行為をしてから24時間以上経っていれば、正確な検査結果が出ます。受付
予約はいりませんので、直接クリニックへお越しください。
クリニックにお越しいただきましたら、まず簡単な問診票の記入をお願いします。
匿名での記入でOKです。
問診
基本的には問診のみでどの検査が必要かは判断できます。
患部を見せていただく必要はありません。
検査
淋病の検査は尿検査です。クリニック内のトイレで採尿していただきます。検査前の1時間はトイレに行かないでください。
結果報告
すでに淋病の症状が出ている方は、即日検査となります。
検査結果は30分前後でわかります。
症状が出ていない方の場合は、精密検査を受けていただきます。
検査結果は5日後に出ますので、再度来院していただくか、電話でも結果をお知らせできます。
書面が必要な方は、検査結果をお渡しいたします。
検査と治療の料金(自由診療)淋病の予防方法
もっとも基本的かつ大切なのが、コンドームを使用すること。性行為はもちろん、性交類似行為(オーラルセックス等)も含む性的接触の際には、必ずコンドームを使用しましょう。
淋病マメ知識まさにパンデミック状態! 世界で猛威を振るう「淋病」世界保健機関(WHO)が声明を発表!
全世界で8,000万人もの患者数がいると推計される淋病。日本ではクラミジアなどに比べて知名度は低いですが、その患者数は世界的に急増。アメリカでは数ある性感染症のなかでも特に深刻な問題とされ、世界保健機関(WHO)も「制御できない状況に陥る可能性がある」と声明を発表しています。
薬剤が効かない「スーパー淋病」の恐怖
これほど淋病が危険視されているのは、既存の抗生物質が効かない「スーパー淋病」の登場が原因です。
2008年に京都で報告されて以降、世界中に感染が拡大。実際にオーストラリアなどでは抗生物質が効きにくくなっていることが判明し、最悪の場合には治療不能に陥る危険性すら指摘されているのです。
不妊に悩まされる恐れも…
淋病は慢性化すると、完治しても無精子症となる恐れがあります。
また、淋病は男性だけではなく女性にも感染しますが、自覚症状がほとんどなく、気づかず放置されてしまう方が多くいます。
女性の場合はそのままだと、卵管や子宮内に炎症が波及。不妊や子宮外妊娠の原因となってしまいます。子供になかなか恵まれない、不妊治療に多額な費用がかかる…など、治療を行わないことで、夫婦で大きな悩みを抱えるケースも増えています。
HIV感染の確率も上昇!
淋病は粘膜に炎症を起こす病気。HIVは炎症状態の粘膜から感染しやすく、感染の確率が数倍に増加することも確認されています。
同性同士での性的接触に心当たりがある方は特に注意が必要です。淋病は「命に関わる病気じゃない」と甘く考えず、しっかりと検査・治療を行いましょう。
この記事の監修者:野口 真康
たいようクリニック八重洲院院長
日本性感染症学会会員